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単糸と双糸の違いとは?|スーツ生地をスペック」で選ばないための基礎知識
単糸と双糸の違いは、「どちらが上か」という話ではありません。
重要なのは、その生地が誰に、どんな印象を与える装いとして使われるのかです。
スーツの生地選びでは、素材や織りだけでなく「糸」に注目することで、オーダーの解像度は一段上がります。
この記事では、単糸と双糸の基礎知識に加え、現場でよくある誤解、そしてトラスティーレとしての考え方を整理します。
単糸とは何か
単糸(たんし)とは、その名の通り「一本の糸」のことです。
ウールの原料である羊毛は一本一本が短いため、それらを撚(よ)って一本の長い糸にします。
この最初にできる一本の糸が単糸です。
業界では
1PLY(ワンプライ)
とも呼ばれます。
単糸の特徴
・軽い
・柔らかい
・艶が出やすい
・空気を含みやすい
一方で、摩擦やシワへの耐性は双糸に比べると劣ります。
双糸とは何か
双糸(そうし)は、単糸を二本撚り合わせて作った糸です。
撚ることを PLY(プライ) と呼ぶため、
双糸=2PLY(ツープライ)
となります。
さらに
3本撚り=3PLY
4本撚り=4PLY
といった糸も存在します。
双糸の特徴
・ハリとコシが出やすい
・シワになりにくい
・型崩れしにくい
・仕立て映えしやすい
耐久性が求められるスーツでは、非常に重要な要素です。
単糸と双糸で勘違いされやすいポイント
店頭で、こんな説明を聞いたことはないでしょうか。
「この生地は単糸なので軽いですよ」
「こちらは双糸なのでハリがあってシワになりづらいです」
説明自体は間違いではありません。
ただし、それだけで判断するのは危険です。
経糸と緯糸の違い
実は、ウール生地における「単糸・双糸」の話は、基本的に緯糸(よこいと)について語られます。
スーツ生地では
経糸(たていと)には、原則として双糸が使われます
なぜなら、経糸は生地の強度を支える役割を担うからです。
つまり
単糸=弱い
双糸=強い
という単純な話ではありません。
「イタリアは単糸、英国は双糸」はもう昔の話
かつては
・イタリア生地:単糸中心 → 軽やか、艶やか、柔らかい
・英国生地:双糸中心 → 重厚、ハリがある、構築的
という明確な傾向がありました。
しかし現在では
双糸のイタリア生地
単糸の英国生地
は珍しくありません。
生地の国籍だけで性格を判断する時代は、すでに終わっています。
単糸か双糸かは「仕立て」との関係で決まる
ここからが、オーダーの面白いところです。
・芯地を極力省いた軽いジャケットに、あえて双糸のしっかりした生地を使う
・構築的なブリティッシュスタイルを、軽く艶のある単糸生地で仕立てる
こうした組み合わせによって、
見た目の印象と着心地のバランスを設計することができます。
トラスティーレの考え方
トラスティーレでは、
単糸か双糸かを「スペックの優劣」で決めることはありません。
大切にしているのは
・どんな場で
・誰と会い
・相手にどんな印象を残したいのか
という視点です。
軽さや柔らかさが必要な場面もあれば、
信頼感や構築感が求められる場面もあります。
単糸と双糸は、その目的を達成するための手段のひとつにすぎません。
まとめ|単糸と双糸は装いを考えるための基礎知識
・単糸と双糸に絶対的な優劣はない
・生地単体ではなく、仕立てと装い全体で考える
・「軽い=良い」「丈夫=正解」ではない
単糸と双糸の違いを理解することは、スーツを選ぶ際の基礎知識です。
その知識をどう使うかで、装いの完成度は大きく変わります。
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