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2023/09/25 用語

単糸と双糸の違いとは?|スーツ生地をスペック」で選ばないための基礎知識

単糸と双糸の違いは、「どちらが上か」という話ではありません。

重要なのは、その生地が誰に、どんな印象を与える装いとして使われるのかです。

 

スーツの生地選びでは、素材や織りだけでなく「糸」に注目することで、オーダーの解像度は一段上がります。

この記事では、単糸と双糸の基礎知識に加え、現場でよくある誤解、そしてトラスティーレとしての考え方を整理します。

 

 

 

 

単糸とは何か

単糸(たんし)とは、その名の通り「一本の糸」のことです。

ウールの原料である羊毛は一本一本が短いため、それらを撚(よ)って一本の長い糸にします。

この最初にできる一本の糸が単糸です。

業界では

1PLY(ワンプライ)

とも呼ばれます。

 

単糸の特徴

・軽い

・柔らかい

・艶が出やすい

・空気を含みやすい

一方で、摩擦やシワへの耐性は双糸に比べると劣ります。

 

 

双糸とは何か

双糸(そうし)は、単糸を二本撚り合わせて作った糸です。

撚ることを PLY(プライ) と呼ぶため、

双糸=2PLY(ツープライ)

となります。

さらに

3本撚り=3PLY

4本撚り=4PLY

といった糸も存在します。

 

双糸の特徴

・ハリとコシが出やすい

・シワになりにくい

・型崩れしにくい

・仕立て映えしやすい

耐久性が求められるスーツでは、非常に重要な要素です。

 

 

 

単糸と双糸で勘違いされやすいポイント

店頭で、こんな説明を聞いたことはないでしょうか。

「この生地は単糸なので軽いですよ」
「こちらは双糸なのでハリがあってシワになりづらいです」

説明自体は間違いではありません。

ただし、それだけで判断するのは危険です。

 

経糸と緯糸の違い

実は、ウール生地における「単糸・双糸」の話は、基本的に緯糸(よこいと)について語られます。

スーツ生地では

経糸(たていと)には、原則として双糸が使われます

なぜなら、経糸は生地の強度を支える役割を担うからです。

つまり

単糸=弱い

双糸=強い

という単純な話ではありません。

 

 

 

「イタリアは単糸、英国は双糸」はもう昔の話

かつては

・イタリア生地:単糸中心 → 軽やか、艶やか、柔らかい

・英国生地:双糸中心 → 重厚、ハリがある、構築的

という明確な傾向がありました。

しかし現在では

双糸のイタリア生地

単糸の英国生地

は珍しくありません。

生地の国籍だけで性格を判断する時代は、すでに終わっています。

 

 

単糸か双糸かは「仕立て」との関係で決まる

ここからが、オーダーの面白いところです。

・芯地を極力省いた軽いジャケットに、あえて双糸のしっかりした生地を使う

・構築的なブリティッシュスタイルを、軽く艶のある単糸生地で仕立てる

こうした組み合わせによって、

見た目の印象と着心地のバランスを設計することができます。

 

 

トラスティーレの考え方

トラスティーレでは、
単糸か双糸かを「スペックの優劣」で決めることはありません。

大切にしているのは

・どんな場で

・誰と会い

・相手にどんな印象を残したいのか

という視点です。

軽さや柔らかさが必要な場面もあれば、
信頼感や構築感が求められる場面もあります。

単糸と双糸は、その目的を達成するための手段のひとつにすぎません。

 

 

 

まとめ|単糸と双糸は装いを考えるための基礎知識

・単糸と双糸に絶対的な優劣はない

・生地単体ではなく、仕立てと装い全体で考える

・「軽い=良い」「丈夫=正解」ではない

 

単糸と双糸の違いを理解することは、スーツを選ぶ際の基礎知識です。
その知識をどう使うかで、装いの完成度は大きく変わります。

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